昨年1年間、私は、あるロースクールの「法曹リカレント・プログラム」の「環境法」(週に1コマ)を受講していたため、その時間だけ「学生」に戻っておりました。「リカレント」というのは、「回帰する」といった意味で、「実務家でありながら学問の世界に回帰する」という趣旨の講座と理解しています。

そこでの体験は、非常に勉強になり、刺激を受けたのですが、一つ悩ましい問題がありました。それは、「試験」です。

試験を受けるのは、司法研修所以来のこと(8年ぶりくらい)ですので、すっかり勉強法を忘れてしまい、一時期は焦りました。

そこで、私は、山口真由さんという弁護士が書いた「東大主席弁護士が教える超速『七回読み』勉強法」という本(当時は爆発的に売れていました。)を買い、その本のとおりにテキストを7回以上読むという勉強法を実践しました。

試験の結果といえば、・・・「可も無く不可も無く」といった程度で、正直なところ、余り効果は感じられませんでした。ですが、テキストを読み込むうちに、人間の理解の仕方といったものが、おぼろげながら分かるような気がしてきました。

後から気付いたのですが、山口さんの勉強法(最初の「3回目」くらいまでの読み方)は、アメリカで生まれた「フォト・リーディング」という速読法によく似ています。「フォト・リーディング」では、はじめのうちは目次やキーワードだけを見て、全体の構造をとらえるのですが、山口さんの方法もこれと同じく、最初は「読む」というより「眺める」程度で、徐々に未知の文章・単語をなくしていくのです。

ともあれ、「七回読み」にせよ、「フォト・リーディング」にせよ、効果が実感出来るまでは、繰り返しトレーニングする必要があるのではないかと思います。